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17.02.2025

リフト券の不正利用からスキー場を守るスマートガード

リフト券の転売やシーズン券の使いまわしは「よくある話」かもしれませんが、スキー場にとっては経営を圧迫しかねない大きな問題です。アクセスの新しいソフトウェア、スマートガードは、簡単に導入でき、リフト券の不正利用を効率的に防止します。イタリアのレ・メレッテスキー場で実施された試験運用では、すばらしい結果が報告されました。

多くのスキー場で常習化しているとみられるリフト券にまつわる不正は、スキーヤーの認識の低さと、スキー場における効果的な確認手段の少なさという2つに起因します。アクセスの製品ラインアップに新たに加わったソフトウェアのアクセススマートガードがこの問題に対するソリューションを提供します。

自動写真照合というシンプルな基本原理

スマートガードはアクセスが新たに開発したソフトウェアで、アクセスの既存のシステムとシームレスに連携します。アクセススマートガードの基本原理はシンプルで、リフト乗り場に設置されたゲートを人が通過するたびに写真が撮影され、それを通過者のリフト券に紐づけるというものです。アクセススマートガードが1枚のリフト券に紐づいた写真をすべて照合し、一致率をスコア化して表示します。

生体データは不要

アクセススマートガードは生体データの収集・保存は行わず、欧州の個人データ保護規則に則った運用が可能です。アルゴリズムにより、色や形状、パターン、プロポーションなど、写真内の人物の外見が分析されます。AIにより、アクセススマートガードは常に学習し、継続的に自己の最適化を図ります。

写真内に複数の人物が写っているなど、有効な照合データとならないと判断された写真は、自動的に除外されます。また、写真の削除はスキー場の判断により随時可能です。通常、リフト券の有効期間中に写真が保存されます。不正利用が発見されなかった場合などは、システムで設定の上、有効期間終了後も写真の保存が可能です。

スタッフによる最終判断

アクセススマートガードの大きなメリットの一つは、リフト券の不正転売や使いまわしを迅速に特定できることです。スマートガードでは、リフト券に紐づく写真の一致率が低いものからリフト券が一覧表示され、不正が疑われるケースをスタッフが効率的に確認できます。一致率はスコア化され、1に近いほど一致率が高く、リフト券が毎回同一人物により使用されている可能性が高くなります。一方、スコアが0に近づくほど、不正利用の疑いが強くなります。スコアが最も低いものがリストの一番上に表示されるため、不正が疑われるケースをすぐに見つけることが可能です。こうしたケースに対する最終的な対処法は、スタッフに委ねられています。

ファミリー向けスキー場における試験運用は成功

アクセススマートガードの本格運用に向けて、まず、イタリアのレ・メレッテスキー場で試験運用が行われました。2023/2024シーズンの試験段階において、リフト券の5%強が不正に利用されていることが判明しました。中でもシーズン券はより不正が多く、15%あまりが少なくとも1回、所有者以外によって使用されていることがわかりました。

この試験運用に関して、レ・メレッテスキー場のマリオ・ティンパノ取締役は、「このシステムは、ゲストがゲートを通過する際に撮影される画像を分析するものですが、冬季試験運用中の結果はすばらしいもので、極めて有効であることが立証されました」とした上で、「テストにより、このテクノロジーの信頼性と正確性が確認されました。リフト券の不正譲渡が大幅に減少したのです。これは売上にポジティブな影響を及ぼすだけでなく、より公正かつ安全なスキー場管理を可能にします。冬季試験運用における非常に満足な結果は、このテクノロジーの利用を継続し、来年以降のさらなる拡大を後押しするものです」と述べました。

 

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