ピゾルスキー場がダイナミックでスマートな価格設定を導入
スイス東部のザンクト・ガレン州に位置するピゾルスキー場とアクセスがタッグを組み、リフト券価格設定の改善に向けた新たなプロジェクトに取り組みました。ピゾルは、スキーヤーと従業員の双方に便利な非接触ソリューションを提供するアクセスのダイナミックプライシングシステムを導入した初のスキー場となります。
子ども向けの割引やシニア向けの値引、半日券、特別キャンペーンなど、スキー場のリフト券価格は複雑なものです。スキー場では長年にわたる経験やカンを頼りに価格設定を行ってきましたが、価格は一定で自由に変動させることができないという欠点がありました。
スキー場は経験上、非常に混雑しそうなときと、そうでなさそうなときを知っています。例えば、学校の長期休暇中には入込数が増加する一方、長期休暇以外の平日では入込数が減少するといった具合です。しかし、リフト券価格は需給状況に関わらず一定で、効率的に売上を確保できないことが課題となっていました。アクセスはこうした課題を解決するために、高精度で売上目標を達成するダイナミックプライシングを可能にするアプリケーション「スマートプライシング」を開発しました。このシステムを2020年12月に初めて試験導入したのが、スイスのザンクト・ガレン州のピゾルスキー場でした。
アクセススマートプライシングは、過去5年間など時間軸に基づくデータと、学校の長期休暇など売上への影響が予想される要素を組み合わせ、データベースを作成します。このデータベースにより、需要見込みに基づいた推奨価格が計算されます。高い需要が見込める日にはリフト券の平均価格を上げ、需要が低いと予測される日にはリフト券の平均価格を下げることにより来場を促すものです。このシステムにより、シーズンの初めに精度の高い売上予測を立てることが可能になります。
天候に基づく柔軟な価格設定
ピゾルで利用されたデータは過去のデータや社会的データだけではありません。経営サイドは天候も価格設定の考慮に入れることを希望したのです。ピゾルのクラウス・ヌスバウマーCEOは、現在の天候をリフト券価格設定の主要要素として考慮するという革新的なアプローチを考え付きました。アクセスのドイツ、オーストリア、スイス営業ダイレクターのマーカス・ワイラーは、次のように説明します。「これまでのスマートプライシングの考え方を拡大し、もう一階段進めました。システムは毎日午前8時に推奨価格を計算します。チームはこの推奨価格を受け入れることも、拒否することもできます。決定後、1日を通じてその価格が維持されます。」天候データは日々公式の気象サービスからシステムに取り込まれ、スキーヤーやスノーボーダーは最大7日前からリフト券をオンライン購入することができます。
今後の計画
ピゾルの経営アプローチは価格設定のみにとどまりません。ピゾルには、リフト用自動改札アクセススマートゲート次世代、自動券売機チケットキオスク600、そして駐車場システムがすでに導入されており、1枚のカードをリフト券としても駐車券としても利用できるようなシームレスなサービスを提供しています。しかし、アクセスのシステムはこれだけではありません。ピゾルは、さらなるおもてなしを追求するため現在、スキーロッカーやレンタルショップなどの重要インフラも導入する計画を進めています。
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