コース全長300kmを誇るアンドラのグランドヴァリラリゾートは、ピレネー山脈と南ヨーロッパにおける冬場の山岳観光をけん引しています。
2002年に初めてアクセスのAX400ゲートを導入したエンシサ社が、合併によりグランドヴァリラリゾートグループとなって以来、アクセスはグループ内におけるプレゼンスを徐々に拡大してきました。現在、リゾート内に設置されているゲートは合計288台にのぼり、その多くは稼働開始から10年以上が経過しています。また、さまざまなモデルが混在していることもあり、最新モデルへの入れ替えが検討されていました。
こうした中、グランドヴァリラリゾートは2025/26シーズンから順次、全ゲートの入れ替えを行うことを決定しました。これにより、安全性、効率性、お客様体験の向上を狙うと同時に、革新的なテクノロジーの導入による運営コストの削減を目指します。
今回の計画では、既存の全てのゲートがAX500スマートゲート次世代BLE に入れ替えられる予定です。これには、アンドラ国内初となるガントリー(吊り下げ)設置ゲート6台が含まれています。AX500スマートゲート次世代BLEはフラップまたはターンスタイル式で、BLE(超低消費電力無線規格)によるスマートフォンリフト券と、HF帯によるICリフト券(RFID)の併用が可能です。
新たに導入されるBLEゲートは、スマホリフト券による快適な通過が特長です。グランドヴァリラのパートナーであるO2O社とアクセスが共同開発した専用アプリをスマートフォンにダウンロードしてリフト券を保存すれば、スマートフォンをウェアのポケットに入れておくだけでゲートを通過できます。スマートフォンがゲートの読み取り範囲に入ると自動接続され、リフト券の有効性が確認されます。有効な場合、遮断バーが開放され、ハンズフリーでスピーディーにゲートを通過できます。
BLEゲートの導入により、快適性が増すだけでなく、リフト券の不正譲渡や使いまわしの防止効果が見込めます。
ゲートに加え、リフト券販売窓口におけるPOSシステムの更新も計画されています。1台で表面印刷および消去と、ISO15693、ISO14443規格準拠のICカードへの情報の書き込みおよび読み取りを行うアクセススマートプリンター600 は、シンプルなバーコードカードからICカード(RFID)まで、あらゆるタイプのリフト券に対応しています。ダイレクトサーマル方式で、ご希望のテキストやロゴなどの印刷が可能です。
さらに、パートナーであるBDR 社のソフトウェア Ski Solutions 360との連携により、 オンラインリフト券販売サイトとリフト券窓口における全ての販売情報が、スキースクール、レストラン、カフェテリア、ロッカー、レンタルの運営と同期されます。
イノベーションの活用とセキュリティー確保の一環として、グランドヴァリラリゾートはアクセススマートガードを導入しています。スマートガードはAIベースのソフトウェアで、スキー場の収益を損なうリフト券の不正譲渡や使いまわしを防止します。
従来、この手の不正を摘発するには、リフト乗り場のカメラが捉えた画像を端末に表示し、スタッフが目視照合するという人力作業が必要でした。一方、アクセススマートガードでは、リフト乗り場に設置されたアクセスレーンコントロールカメラが撮影した画像がリフト券IDに紐づけられ、ゲート通過ごとの画像との一致スコアが自動算出されます。外見の大幅な変化などで一致スコアが低くなると、フラグが表示されます。不正の疑いが高い順にリフト券IDがリスト化され、必要な場合には数クリックでリフト券を利用停止にできます。
アクセスの各種ソリューションへの投資により、グランドヴァリラリゾートはお客様体験の向上と長期的な運営効率の適正化を狙います。今回の投資には、財務面、機能面の双方において、以下のようなメリットがあります。
アクセスは20年以上にわたり、グランドヴァリラリゾートの成長を支援してまいりました。今後も、テクノロジーパートナーとして、グランドヴァリラリゾートと共に歩んでまいります。