常にお客様と共に最先端を走り続けるアクセスAGは、新たな製品やソリューションを急ピッチで生み出し、市場に送り出しています。オリバー・スーターCSO兼取締役は会社の好業績がその戦略を物語っているとした上で、「世界的な経済危機の中、自社の業績が好調だと言えることを誇りに思います。しかも、国の補助金を申請するもことなく、短縮労働も一切実施せずにこれを成し遂げたのですから。」と述べています。
デジタル化の流れにより、レジャーや展示会などの分野で数多くのプロジェクトが実現しました。来場者数の制限や事前登録といった時代の要請により新たなソリューションへのニーズが高まった結果、売上高は6010万ユーロに拡大、53か国で13,000件の導入が実現し、従業員数は約360人に増加しました。これに関し、クリスティアン・ヴィントハーガーCEO兼取締役は、「昨年度の好業績により、危機の際の当社の適応力の高さや、決断の正しさが示されました。」と説明しています。
スキー事業では、世界各国でセルフ発券端末およびオンライン発券ソリューションへのシステム更新が進み、増収につながりました。好調さを示したのは、アクセスウェブショップまたはアクセスチケットフレーム600とアクセスピックアップボックス600の組み合わせによる新たなセルフ発券ソリューションです。すでに開発中のeコマース製品には今年度さらに機能が追加されています。また、引き続き開発を進めているスマートフォンがチケットになるBluetoothシステムに対しては、需要が高まりつつあります。
施設への入場時に新型コロナウイルスのワクチン接種証明書の提示が広く求められたことも、当社のスキー事業にポジティブに影響しました。売上高はスカンジナビア諸国が36.6%増、ドイツ語圏(ドイツ、オーストリア、スイス)がほぼ横ばい、フランス、スペイン、イタリアがコロナ禍での施設閉鎖を受け減収となりました。中国では売上高が3倍に増加、日本では慎重な投資姿勢を背景としつつも複数の小規模プロジェクトを実施、中東欧地域では既存顧客のプロジェクトや、クラスナヤ・ポリャーナにおける新規プロジェクトなどが際立ちました。オーストラリアおよびニュージーランドでは現地法人設立後初のプロジェクトが複数実施されました。アメリカ市場ではスキー関連プロジェクトが40件強に急増し、54.8%の増収となりました。
スタジアム事業では、新規プロジェクト数が米国で驚異的な伸びを示しました。ハードウェアの納品が障害となったものの、マイアミ・ドルフィンズ、デンバー・ブロンコス、ニューヨーク・ヤンキースをはじめとする主要スタジアムで25件のプロジェクトが実施されました。このほか、フィンランドで新たに建設されたノキア・アリーナやドイツ・ブンデスリーガのFCフライブルグのスタジアムにも当社の入退場管理システムが導入されました。
欧州の展示会事業では、新たな来場者管理ソフトウェアが増収に寄与しました。もはや必須となりつつあるオンライン登録やオンライン発券、さらに当社システムの特長である一元管理が評価され、GHM(ドイツ)、フィッシュ・インターナショナル(ドイツ)、エルミア(スウェーデン)、メッセ・ドルンビルン(オーストリア)、メッセ・ツェントルム・ザルツブルグ(オーストリア)など多くの展示会場がコロナ禍における閉鎖期間中に資金を投じ設備更新を行いました。
レジャー事業では、入場券や個別アトラクションチのケット確認に対するデジタル化需要が大きく寄与し、ザルツブルグ大聖堂(オーストリア)、レゴランドウォーターパーク(イタリア)、アッター湖水浴場(オーストリア)などに当社システムが導入されました。レジャー事業における集中的な取り組みにより、特に今年度はさらなる成長が見込まれています。欧州では厳格な個人情報保護規制から、中国市場ではスタンダードとなっている顔認証技術を応用した入退場管理システムの導入は困難なものの、新たな展開が見込まれています。アラブ首長国連邦アブダビのヤス島では顔認証技術が当社の入退場管理システムに組み込まれ、顔認証決済が利用されています。
ダニエル・ヴァクーニッヒCTO兼取締役は昨年度について、「様々なデジタルソリューションが追加され当社の製品ポートフォリオが着実に拡大したほか、新たな技術テストが実施されました。」と述べています。今後も同氏のeコマースに関する専門知識を生かした多くの新製品やソリューションの開発が見込まれています。新年度も「上昇あるのみ」という当社のモットーを掲げて事業展開を行ってまいります。