このプロジェクトの責任者で、アクセス 創立者の一人であるエドワード・ワルナーは「ザグレブ(のプロジェクト)は高い企画スキルやノウハウが必要なうえ、アクセスにとっても先進的な取り組みでした」と述べました。このプロジェクトは、ただ単にロープウェイ乗り場に入場ゲートを設置するというシンプルなものではなく、オンライン発券から駐車場、リフト券などのデータベースを整備し、考え抜かれたシステムを開発することが必要だったからです。
ザグレブは3つの課題を一挙に解決するソリューションを求めていました。3つの課題とは、市内交通を緩和し、スキー場を含むスリェメをルートに組み込み、ザグレブ観光の潜在能力を存分に引き出すことでした。柔軟性と機能性を可能な限り高めるため、包括的なシステムが全てを担う必要がありました。そのためには、各細部にまで行き届いた、あらゆるチケットの組み合わせに対応できるシステムが求められていたのです。
プロジェクトはザグレブ市にとっても新たな挑戦でした。このような包括的なプロジェクトには、アクセスの経験とあらゆる組み合わせを可能にするモジュールテクノジーという両輪が必要とされました。現地には5台の窓口発券システム、9台の自動券売機 チケットキオスク600と2台の自動引換機ピックアップボックス600が設置されます。また、様々な組み合わせのチケットを購入することができるオンライン発券システムウェブショップで将来的には、ロープウェイチケット、リフト券、駐車券を自宅から予約できるようになる予定です。
「こうした柔軟性のおかげで、ロープウェイの魅力度が上がる一方、運営側は管理を簡素化できます。一元システムであらゆることが追跡、分析、調整できます。」とワルナーは続けます。
ゲストにとっては、チケットを求める列が短くなり、接触の機会が減り、選択肢が増え、気が向いたときにいつでもチケットを買うことができるようになります。
有人検札用端末ハンドヘルド を使えば、現地でのサービスがさらに向上します。例えば、以前スキー場で受け取ったICカードを利用してサービスパッケージをカスタマイズすることができます。運営会社のZET AG社はこうした洗練されたシステムに関心を寄せており、他の公共交通機関の自動化プロジェクトへの応用を検討しています。これに関してワルナーは「運営者から設置者、そして物流業者から構造エンジニアといった複数の組織化されたグループと一緒に働けるのはすばらしい経験でした。いつかまたそういった体験ができれば嬉しいです。」とコメントしています。